PROFILE

オーディオ・アクティビスト – 音楽家/録音エンジニア
saburo ubukata

saburo ubukata
photo by Katsumi Saiki

 「音」に関して「音楽」と「オーディオ=録音と再生」の両面から取り組む音楽家、活動家。作曲、録音制作、CDやハイレゾ作品のリリース、コンサートの企画、自作スピーカーによるマルチチャンネル(サラウンド)・サウンド・インスタレーションの制作、録音技術を用いたワークショップ、オーディオ雑誌でのオーディオ評論や執筆、録音技術関係の書籍の執筆など、いずれも「音楽」と「オーディオ=録音と再生」の持つ魅力を広く伝えるため、そして自ら楽しむために、特定の形態に絞られる事なく、あらゆる角度から携わって活動している。

生形の音楽は、個と共有の境界をたゆたって語りながら、手順に従い夢を翻訳していく催眠術をかけるがごとく、個人の内側に存在しながらも決して表現され切れない何かを、暗示から明示されるものへと、暴き出してゆく
―Bruno Duchemin フランス国立シャイヨー劇場キュレーター

“電子音響音楽”になじみのない耳にも、生形のつくる音は不思議に懐かしく、美しい。夢うつつの幼い日々、誰もが体験したあの不安と 魅惑の時間へと、私たちはやさしく連れ去られる
―塚田 美紀 世田谷美術館キュレーター

 幼少より「音」と「音楽」に興味を覚え、テープレコーダーやMTRを用いた遊びに没頭。それらが発展し、楽器の演奏や独学での作曲活動、ライブハウスなどでの演奏活動を経て、昭和音楽大学作曲科にて主に西洋音楽の創作技法(器楽、電子音楽)を中心に学び、作曲実技を首席で卒業。在学時に国内外の著名な電子音楽作曲コンクールにて受賞するほか、フランスにて電子音響音楽の作曲法や、大規模なマルチスピーカーシステムによる多元的な音響プロジェクション法を学ぶ。

 その後、演奏活動や創作活動を行いながら、東京藝術大学大学院に入学。先端芸術表現科古川研究室にて、学際的な視点から電子音響を主体とした創作や研究を行う。創作作品においては、難解になりがちな電子音響芸術を、より感覚的に聴取できる表現として確立する事に取り組み、従来の音楽様式では描き切れない濃密な心象世界の構築を目指し、自らが理想とする人間の音響心理にかなった音響美を具体化している。美しい透明感と独自の時間感覚に基づいた生形の音楽は、そこに新たな空間や時間を表出させ、聴く者の聴感覚を豊かに刺激する。

世田谷美術館でのソロコンサート

世田谷美術館でのソロコンサート
photo by Yuko Okoso

 2006年11月には世田谷美術館エントランスホールにてソロコンサートを行い、音と光による独自の世界観を持つ空間芸術を作り上げたほか、2007年1月にはフランス国立シャイヨー劇場の招待により大規模な空間音響パフォーマンスを行った。

 純粋な音楽作品の他にも、コンテンポラリーダンサーとのパフォーマンスにおけるダンスと音楽の発展的関係性の探求や、美術家との空間的表現を主体とした音と映像のコラボレーションや、インタラクティブなインスタレーション作品の発表も多数。作品は国内をはじめ、フランスやベルギー、韓国など広く上演されている。

デジタル録音入門

デジタル録音入門

 近年では楽器演奏家向けのセルフレコーディングの入門書も執筆。(クラシック演奏家のためのデジタル録音入門/音楽之友社刊) また、月刊ステレオ誌(音楽之友社)において、ハイエンド・デジタルオーディオ機器のレビューや、録音とオーディオにまつわる連載「オーディオ・エクスプローラー」を執筆するほか、各種記事の執筆、付録CD(究極のオーディオチェックCD2013、2014、2015)の企画・制作も行っている。

ヴァレンティン・シルヴェストロフ ピアノ作品集

ヴァレンティン・シルヴェストロフ
ピアノ作品集

 同時に、音楽家・作曲家としての音楽的見識と、電子音響音楽制作で練磨した録音・編集技術を活かし、レコーディングエンジニアとして録音制作の仕事も開始。「ヴァレンティン・シルヴェストロフ・ピアノ作品集/塚谷水無子(PCD-1409)」の録音・編集・マスタリングを手がけ、同CD録音は、オーディオ誌や音楽誌などでも高い評価を受けるほか、ハイエンド・オーディオメーカーの製品デモンストレーション音源に採用されている。

録音を介したワークショップの様子

録音を介したワークショップの様子

 さらに、NPO法人芸術資源開発機構、せたがや文化財団、NPO法人STスポッ ト、埼玉県立近代美術館などより依頼を受け、リニアPCMレコーダーや自作スピーカーを用いた、「音響」や「録音」を媒介とする様々なワークショップ活動を展開し、「音」を介したコミュニケーションにも取り組んでいる。



主な受賞・入選暦

・CCMC2004(コンテンポラリーコンピューターミュージックコンサート)公募部門最優秀賞受賞
(審査員長=ラジオフランス内、フランス国立視聴覚研究所音楽研究グループ「Ina-GRM」ディレクターDaniel Teruggi氏)
主催:ACSM116(日本)

・国際電子音響音楽作曲コンクール「Metamorphoses2004」入賞
(審査員=Ingrid Drese, Beatriz Ferreyra, Hans Tutchku, Annette Vande Gorneの各氏)
主催:Musiques & Recherches(ベルギー)

・国際電子音響音楽演奏コンクール「L’Espace du son2004」課題曲に選出される
主催:Musiques & Recherches(ベルギー)

・JCDN全国巡回型公演イベント入選
主催:JCDN(ジャパンコンテンポラリーダンスネットワーク)

・メディアミュージックコンテスト2006尚美賞(最優秀作品賞)受賞
主催:尚美学園大学

・2005年度昭和音楽大学特別賞受賞(作曲学科首席)
主催:昭和音楽大学

・第10回文化庁メディア芸術祭 「審査委員推薦作品」受賞
主催:文化庁

・第3回芸術アワード「飛翔」を音楽部門にて受賞。(審査員:池辺晋一郎氏)
主催:せたがや文化財団、世田谷区

出演・出品暦(抜粋)

-コンサート
2003/12 インターカレッジコンピューターミュージックコンサート / 静岡芸術文化大学
2004/02 CCMC2004 / 東京日仏学院エスパスイマージュ
2004/08 concert acousmatique / Conservatoire Frederic Chopin(フランス・パリ)
2004/10 L’Espace du son / Thtre Marni(ベルギー・ブリュッセル)
2004/12 インターカレッジコンピューターミュージックコンサート / 九州大学
2005/02 CCMC2005 / 東京日仏学院エスパスイマージュ
2005/03 昭和音楽大学卒業演奏会 / 厚木市文化会館
2005/08 FUTURA2005 / ESPACE SOUBEYRAN(フランス・クレ)
2006/03 Orb vol.2 / 川越美術館
2006/04 Orb vol.3 / Super Delux
2006/11 トランス・エントランス / 世田谷美術館
2007/02 Orb vol.4 / 川越美術館
2007/02 CCMC2007 / 東京日仏学院エスパスイマージュ
2007/07 響彩陸離 / アサヒアートスクエア
2008/02 CCMC2008 / 東京日仏学院エスパスイマージュ
2008/03 Orb vol.5 / 川越美術館
2008/03 Orb vol.6 / Super Delux
2008/05 ih plus vol.4 電子音響歌集 / 全興寺(大阪)
2008/07 MoMAS空間音響ライブ / 埼玉県立近代美術館
2008/07 響彩陸離 二 / アサヒアートスクエア(東京)
2008/09 振動列車 / 京都木屋町 UrBANGUILD(京都)
2008/10 Sound & Vision / 横浜 ZAIM(横浜)
2009/01 Live Performance / 千駄ヶ谷 Loop-line (東京)
2009/01 Live Performance / 吉祥寺 GLID605(東京)
2009/02 CCMC2009 / 東京日仏学院エスパスイマージュ(東京)
2009/05 KAAF2009 アクースモニウム・ライヴ / 全興寺(大阪)
2010/02 CCMC2010 / 東京日仏学院エスパスイマージュ
2010/07 KAAF2010 アクースモニウム・ライヴ / 神戸 CLUB Q2
2010/10 富士電子音響芸術祭 2010 / 梁川アクエリアンハウス(山梨)
2010/12 インターカレッジ・コンピューター・ミュージック・コンサート / 昭和音楽大学
2011/03 Electronic Music + Art Show ’11 / 六本木ヒルズ(震災により中止)
2011/07 kyo-en 響宴 vol.1 / 梁川アクエリアンハウス(山梨)
2011/09 富士電子音響芸術祭 2011 / 梁川アクエリアンハウス(山梨)
2011/11 SMF アートラボ 野外ライヴ / 埼玉県立近代美術館
2011/12 MOMAS コンサート/ 埼玉県立近代美術館
2012/10 富士電子音響芸術祭 2012 / 梁川アクエリアンハウス(山梨)
2013/06 エキシビション・コンサート / GARALLEY HIRAWATA(湘南)
2013/07 kaico at setabi / 世田谷美術館(東京)
2013/09 エキシビション・コンサート / Tokio OUT of Place 恵比寿(東京)
2013/10 エキシビション・コンサート / Tokio OUT of Place (奈良)
2013/10 富士電子音響芸術祭 2013 / 梁川アクエリアンハウス(山梨)
2014/03 セタガヤ・トランスコード / 世田谷美術館
2014/05 富士電子音響芸術祭 2014 / 梁川アクエリアンハウス(山梨)

-サウンドワークショップ
2008/10 おとでつくろうふしぎなおんがく / 芝公園保育園(東京港区)
2011/06 誰もいない美術館で「びじゅつかんが眠る音楽 子ども&大人編」 / 世田谷美術館
2011/10 MOMASサウンドモンタージュ・ワークショップ / 埼玉県立近代美術館
2012/01 もっとデジタル / 慶應義塾幼稚舎(東京港区)
2012/10 MOMASサウンドモンタージュ・ワークショップ / 埼玉県立近代美術館
2013/10 MOMASサウンドモンタージュ・ワークショップ / 埼玉県立近代美術館
2014/01 横浜市芸術文化教育プラットフォーム・学校プログラム / 上菅田特別支援学校
2014/07 家を聴』—音で写真集を作ろう— / 埼玉県立近代美術館

-展覧会
2004/12 デジタルなアナログ、アナログなデジタル / Pepper’s Gallery(東京)
2007/01 NO TATAMI SPOT / フランス国立シャイヨー劇場(フランス・パリ)
2008/10 アトラス展 / 東京芸術大学
2010/01 東京芸術大学大学院修了展 / BankART NYK(横浜)
2010/12 橋本平八と北園克衛展/ 世田谷美術館

-ダンスとのコラボレーション
2005/04 Message from Body vol.4 / Pepper’s Gallery(東京)
2005/09 HASLLA ART SELECTION / HASLLA ART WORLD(韓国)
2005/10 旺山開天国際文化芸術祭 / 旺山国際芸術村(韓国)
2005/10 踊りにいくぜ!! Vol.6 / ターミナルプラザことにパトス(札幌)
2005/12 踊りにいくぜ!! Vol.6 / 福井まちなか文化施設 響のホール(福井)
2006/03 Bankart1929 横浜ダンス界隈vol.3 番外編 / 横浜馬車道 元ルノアール
2006/12 DANCE BOOK SHELF / Studio GOO(東京)
2007/05 Dance Circus 38 / DANCE BOX Art Theater dB(大阪)
2008/01 京都ダンスプロダクション2007
2008/05 Theater 21 fes / 神楽坂セッションハウス
2008/06 新!大阪Dance Circus / DANCE BOX Art Theater dB(大阪)
2008/07 響彩陸離 二 / アサヒアートスクエア(東京)
2009/02 セッション / 京都UrBANGUILD
2009/09 シアター21フェスSTEPUP vol.26 / 神楽坂セッションハウス
2010/07 BINTA / 神楽坂die pratze
2010/09 セッション / 京都UrBANGUILD
2011/11 南弓子単独公演 / 新長田Art Theater dB
2012/02 横浜ダンスコレクション EXショーケース / 横浜赤レンガ倉庫
2012/11 南弓子ソロ単独公演 / 京都UrBSNGUILD
2012/12 年の瀬小景ス / RAFT(東京)
2013/05 南弓子ソロ単独公演 / 絵空箱(東京)
2013/09 絵空箱ダンスフェス / 絵空箱(東京)
2014/02 横浜ダンスコレクション EXショーケース / 横浜赤レンガ倉庫
2014/03 セタガヤ・トランスコード / 世田谷美術館
2014/08 南弓子ソロ単独公演 / d-倉庫(東京)
2014/12 Symphonic Feeling / Studio GOO(東京)
2015/02 南弓子ソロ / さくらWORKS(横浜)