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ワークショップ実施中です

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今月より、ダンサーの上村なおかさんと一緒に、横浜にある上菅田特別支援学校でワークショップを行わせて頂いてます。

私は、せっかくやらせて貰えるなら、ということで色々と機材を持ち込み、ほぼ手作りのスピーカーで構築した10.1ch 11スピーカーによる、サラウンドな音響空間の実現と、生楽器の演奏や、生徒の声や演奏をその中にリアルタイムで取り入れた音楽演奏を行っています。
データレートは24bit96kHzで行い、ナチュラルかつリアリティのある、「音楽」と「音響」を教室空間全体で立体的に味わうことができる機会を作っています。

STスポットコーディネーター田中さんやスタッフさんのきめ細やかなご配慮や、ダンサーである笠井瑞丈さんや南弓子という贅沢なアシスタントのサポートを頂き、毎回とても新鮮な体験の連続です。

受講者は重度重複障害のある高校生が対象で、障害の度合いや症状はそれぞれバラバラです。しかしながら、音や動きに対するセンシティブな反応はとてもクリアかつ正直です。その中で、どのような音をどのように受け取ってもらえるのか。そしてどうやってもっと「耳」を開いてもらえるのか。さらに、私自身が開けるのか。

「リズム」や「メロディ」が典型的に存在する一般的な「音楽」は敢えて奏さず、「音」や「音響」そのものにフォーカスする体験をしてもらっています。その様な、未知の形をした「音」や「音楽」に対して、すんなりと入り込んで楽しむ姿や、個人ごとの音の好みが特に印象的です。

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また、生徒にほぼマンツーマンで付き添う先生方の、瞬発力の高い非常に深い状況察知能力はまさに異次元級で、先生同士の連携も非常にスムースかつ快活。未体験ゾーンのプロの仕事を目の当たりにし、毎回ただただ静かに感嘆しています。

給食の時間にもお邪魔させて頂きましたが、障害の度合いが全く異なる同学年が一堂に会するクラスはいつも明るく元気で、こちらまで元気を頂きます。そこでも先生方が軽やかに奔走していました。「人間ひとりひとりのユニークさというのは、本当は誰でもこれくらいに開きがあるんだと思うんですよね」という田中さんの言葉に非常に納得するとともに、開放感に溢れた学校空間に、自然と心がほぐれました。

貴重な機会を頂けた事に感謝しつつ、次回の作戦を練ります。

 

アルバムがリリースされました

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 2013/5/15にアルバムがリリースされました。タイトルは「reflection primal」で、3〜4年くらい前の曲を中心に、全10曲の構成です。

 このアルバムは、自身が今まで制作してきた電子音響音楽を、CD作品というパッケージに落とし込むにあたり、「一般的な音楽形態」と「具体的な録音素材による日常の音の融合」を試みたものです。それは、今まで行っていた表現を、もっと良い形で伝えられないか、という試みの模索でもありました。

 収録曲の中に出てくる環境音は全て自身で録音を行い、DSD録音と呼ばれる、クラシック音楽やジャズの高音質録音のマスターに使われる録音形式を用いて、出来る限りリアルに録れる様に努めました。また、録音対象の選定にあたっても、日々を生きている中で必ず聴いている、普遍的だけれど記憶の奥にこびりついているであろう音を選び、多くの人の原体験に触れられるように試みました。

 なぜそれが必要であったのかというと、それはアルバムジャケットにも関係します。アルバムのジャケットに使われているイメージは、現代美術作家でもあり私の東京芸大大学院時代の同級生であったchise shimomuraの作品、”flowting sight #4″です。私はこの作品を一目見た時から、自分がこのアルバムで(もしくは自分の音楽の創作という行為そのもの)試みようとしていることに共通項を見いだしたような気がしました。その時にはそれがどうしてなのか何なのかは判りませんでした。しかしながら、アルバムのジャケットに作品の写真を使わせてほしい旨を彼女に相談し、実際にこれらの音楽を聴いてもらい感想を貰った時に、それがなんなのか判ったような気がしました。

 森の中で、陽光を受け周りの景色を様々に乱反射することで見えてくるその作品の佇まい。その光景や存在、そして作人を体験すること自体が、録音物の再生を通すことで、様々な時間や風景が心の中に思い出される体験と、とても近似している、リンクしているのではないかと私は思っています。

 皆さん、是非聴いてください。

 

【購入先】

saburo ubukata オフィシャルサイト

Nautre Bliss オフィシャルサイト(レーベル運営元) ←今なら42%offのようです。

Amazon アマゾン (ユーザーレビューがたくさんあります)

 

【「TVBros 4月24日号 」 ディスクレビュー掲載 】
「メディアアートや作曲コンクールなどの分野で活躍してきた日本人電子音響
音楽家の1stアルバム。ピアノをメインに、シンセ、蝉しぐれ、カラスの鳴き
声、足音、花火、駅のプラットフォーム、何気ないおしゃべりなど、日本の日
常に流れる環境音を加え、電子変調を施した、アンビエント作品。NHKラジオ
「音の風景」、ブライアン・イーノ、その両方が好きなら耳の至福! 目を閉
じて聴いていたい。 -サラーム海上」

 

【「Stereo 7月号」(音楽之友社) 今月の特選盤に選定 】
「本文より抜粋〜使われている音は、波や雨や森と言った自然の音や花火等を
生録音したものと、アコースティック楽器、電子音を加工したもの。特に不協
和音ということはない。現実と過去の風景が解け合っている様子を音で表現し
たような音楽。BGMとして部屋で流しておいても居心地がいいが、自分の過去
の何かを引き出してくれるような強い力も持っている。端的に才能を感じる。
新しくつくられたものの中で、久しぶりに美しい音楽を聴けた。 -鈴木裕」

ラジオにゲスト出演しました

suzuki_ubukata先日、TOKYO FMのビルにあるミュージックバードスタジオで、ラジオ番組の収録にゲスト出演させて頂きました。

この番組、高音質衛星ラジオの「ミュージックバード」が提供する番組で、ラジオディレクター・オーディオ評論家である鈴木裕さんがナビゲーターを務める「オーディオって音楽だ!」という番組です。

 

詳細はこちらです。

http://musicbird.jp/programs/audio/

近々のゲスト出演では、リットーミュージック刊「サウンド&レコーディングマガジン」編集長である國崎晋氏などが出演なさっていたりと、とても自分などが出演するのはおこがましく、大変に光栄な体験でした。

初めてラジオ局に足を踏み入れましたが、なんだかとても独特な空気感が漂っていて素敵な空間でした。

肝心の内容はというと、緊張していて何を話したかあまり覚えていないのですが、とりあえず自身の音楽歴や作ってきた作品、そして今作っている作品のお話を、自作曲を流しつつお話しさせて頂くという、とても贅沢な体験をさせて頂きました。

ミュージックバードに加入されている方は、ぜひお聞き頂けましたら幸いです。(かなり恥ずかしいですが、、、。)

また、ミュージックバードは48kHz 16bitの高音質配信なので、ハイレゾ化しつつある昨今の音楽配信業界の中でも、注目のメディアですね。クラシックやジャズなどをメインに配信されていて、こんなラジオがあったら毎日楽しいだろうなーと想像してしまいます。番組表を覗いてみると鈴木雅明特集があったり、たまらないです、、、。

なにはともあれ、ナビゲーターの鈴木裕さん、貴重な機会をどうもありがとうございました。

ヘッドフォン&アンプのレビューをしました

223464_476791889034661_1005568990_n オーディオチェックCDに続くstereo3月号では、ハイエンドなヘッドフォンとヘッドフォンアンプのレビューや使いこなし記事を執筆させて頂きました。

どれもメーカーのフラッグシップモデルという事もあり、結構な聴き応えでした。オーディオはやはりスピーカーで再生しないとなかなか音場感や空気感が伝わり難いのですが、最近のヘッドフォンブームのヘッドフォンの高性能化は目を見張るものがあるなと思いました。

特に開放型ヘッドフォンの抜けの良さにはびっくりしました。自分は普段、音楽制作を行っているのでどうしても癖の少ないものが好む傾向にありましたが、このクラスになってくるとその癖も楽しめる程の包容力がありました。

なかでもやはり、モニターヘッドフォンとしても使う事の多いAKGやゼンハイザーの音個人的には好きだなと思いました。

そしてヘッドフォンアンプ、これも実に多様な個性があって面白いですね。真空管だったりトランジスターとのハイブリッドだったり色々ありますが、音楽制作機材としてみた時のgrace design m-903には本当にたまげました…。あれはもう制作においてはかなり強力なツールとなる事は間違いないなと思いました。欲しいのですが、お値段が、うーん、、、。

grace design m-903grace design m-903

そんなこんなで合計アンプ含め20種類以上のモデルを怒濤のレビューしましたので、ぜひお手に取ってみて下さい。

http://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?code=933303

 

賞を頂きました

賞を頂くのは、実に学生の頃ぶりでしょうか。せたがや文化財団と世田谷区が主催している若手芸術家奨励の芸術アワード「飛翔」の第3回目の音楽部門の賞を頂きました。審査にあたって下さったのは作曲家の池辺晋一郎氏です。

世田谷区は自分が生まれ育った場所であるので、そういった場所から自身の活動支援を頂けるのは非常に幸運な事だと思っています。特にせたがや文化財団の事務所がある三軒茶屋のキャロットタワーには、中学生の時に通学で使っていた世田谷線の最寄り駅として毎日通っていたので、なんだかとても親近感があります。

今回、区の支援により創作活動をさせて頂くからには、良い催しを行い、自分が住んだ街に還元出来ればと思っています。

今年度内に、世田谷区の文化施設にて音楽公演及び関連企画として音響作品の展示やワークショップなどを行わせて頂きます。詳細が決まり次第ご報告したいと思います。

今から非常に楽しみです。

 

第3回 世田谷区芸術アワード“飛翔”

航空自衛隊を録音しました

380275_444367232277127_1530643291_n音楽之友社刊、stereo 2013年2月号に付録する「究極のオーディオチェックCD2013」のための収録で航空自衛隊入間基地にお邪魔してきました。

自衛隊の基地に入るのは初めてで、結構ドキドキしました。いろいろと機密などもあるので常に厳しい監視下!?に置かれながら航空機やヘリコプターの音を録音させて頂きました。

録音して思ったのは意外にもジェット機よりプロペラ機が発する音の方がより遠方に響き渡るのだなという事。そしてそれはヘリコプターの方がより強烈でした。今回収録したのは比較的小型の輸送機や多目的航空機がメインであった事も大きいとは思いますが。戦闘機だとより強烈なんでしょうね。

この収録のためにNEUMANN KU-100を母校である昭和音楽大学からお借りし、レコーダーであるTASCAM HS-P82をティアック株式会社さんからお借りしました。本当にどうもありがとうございました。おかげさまで素晴らしい収録が出来ました。

興味ある方は是非stereo2月号をお手に取ってみて下さい。

http://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?code=933302

いつもお世話になっている歌手のさかいれいしうさんにも特別にボイスや歌声の収録をお願いし録音させて頂きました。ここでしか聴けない素敵な音源です。

収録の様子もこちらからビデオでご覧頂けます。

http://www.ontomovillage.jp/cottage/stereo/others.html?nid=3794

 

 

Fuji Acousmatic Music Festial 2011

FAF2011、今年も参加させて頂きました。今年は例年よりもさらに多くの方々のご協力のおかげで、素晴らしい公演内容だったのではないでしょうか。

芸術を行う上で乗り越えなければいけない課題はもちろん多いですが、まず内容自体に本人が納得できるものでなければ何も意味がありません。

特に音のアウトプット面が重要な要素を占める電子音響音楽にとって、まずそこをクリアできなければ、制作意図を他者に伝える事すら困難であるからです。

ご来場いただいた皆様、ご協力いただいた皆様、どうもありがとうございました。

私は昨年末に世田谷美術館で発表させて頂いた北園克衛の詩作による8chの音響作品を24bit96kHzにて発表させて頂きました。この様な多数の出品者が一度に演奏を行う公演ではどうしてもハイビットレートやマルチチャンネルでの作品発表が難しかったのですが、今年はTEACさんにご協力によりTASCAM HS-8というハイレゾリューション&マルチチャンネル対応のレコーダー(プレーヤー)をお借りする事が出来、異なるレートの音源を一元管理のもとで扱う事が出来ました。TEACの松岡さん、本当にどうもありがとうございました。

しかもこのレコーダーは掛け値無しに素晴らしい音質でした。自身で制作したオリジナル無指向性スピーカーを会場で実際に使用していたせいもありますが、制作時にモニタリングしていた音質と比べて全く違和感がない上に、高密度かつ精緻な描写力でした。十代の時にはじめてTASCAMのDATの音を聴いて、クリアで密度の高いながらも嫌みのない洗練された音に、業務用機器と民生用機器の違いを鮮烈に感じましたが、HS-8はそれがさらに磨きがかかっている様な印象を持ちました。もちろん再生している音源の解像度なども大きく異なるのですが。

自身が本当に納得出来る形で、他者に自作品をきいて頂けるというのは、今までおそらく一度しかなかった事でしたので、純粋に嬉しい体験でした。
これもこの機会を作って下さった吉原さんをはじめとする多くの方のおかげです。すたっふをはじめとする、協力会社や協賛会社のみなさま、そしてご来場頂いたみなさま、本当にどうもありがとうございました。

ワークショップを終えて

photo by Naho Baba

先日、無事にワークショップを終える事ができました。ご参加下さった皆様、ナビゲーターの柏木さん、世田谷美術館の塚田さん、スタッフの皆様ありがとうございました。

今回はリニアPCMレコーダーを最低一人一台、合計で20台以上使っての録音と、それを時間軸と空間に超アナログな手法でライブで構成・演奏するという内容のワークショップでしたが、小学生から50代の大人の方まで皆さん真剣に取り組んで下さり、そして自分自身もとても楽しんでしまい、大変貴重な体験でした。レコーダーを快くお貸し下さったTEACさん、Rolandさん、SONYさん、OLYMPUSさん、どうもありがとうございました。

何よりもまず皆さんが録音してくる音にびっくりしました。普段自分が録音するのとは全く別の視点から捉えられた音だったからです。作曲家や音楽家が音を録音すると、やはりどこか音楽的だったり、楽音的な音を捉えようとします。特に今まで私は音楽関係者が録音したものしか聴く機会がなかったので、余計そう感じました。

自分の好きな音を録音する、そしてそれを構成してみる、さらにそれを他の人とグループで表現として制作してみる、ということで、単に他者がつくった作品を鑑賞するという行為以上に、日常の生活では見えてこない自分や他者が浮き彫りになったのでは、と感じました。

聴くためだけにつくるのではなく、作る過程をも共有する事、とても興味が湧きました。

誰もいない美術館で

ワークショップ講師をつとめさせて頂く事となりました。ご興味ある方は是非ご参加下さい。

ワークショップ「誰もいない美術館で」
Vol.33「びじゅつかんが眠る音楽 子ども&大人編」

展覧会からヒントをもらって、ダンスや演劇などの身体表現をつくる、異色のワークショップ・シリーズ。第33回のテーマは、音楽です!世田谷美術館は、このあとしばらくのあいだ、お休みします。美術館が眠れるような音楽を、みんなでつくりましょう。発表会は、閉館後の「誰もいない美術館で」行います!

出演: 講師:柏木陽(演劇家、NPO法人演劇百貨店代表)、
生形三郎(作曲家、サウンドアーティスト)
日時: 6月25日(土)・26日(日)両日ともに13:00-18:00(発表会=26日19:00-)
申込締切日: 申込先着
会場: 当館地下創作室/展示室
定員: 10代=10名程度、20歳以上=10名程度(要事前申込、先着順)
参加費: 無料(20歳以上は2,000円)

参加申込フォーム

チャリティー音源リリース

この度、震災により大変な事態に陥ってしまいました。
甚大な被害や、緊急事態になりあらわになった様々な事柄に対して、ただただ言葉を失うばかりです。

私個人が直接的にできる事は僅かですが、オンラインでのチャリティー音源のリリースで得た収益を直接地方自治体に義援金送付する事で、震災への復興に微力ながらお力添えできればと考え、この度チャリティー音源のリリースを行うに至りました。

是非皆様のご支援ご協力を賜われましたら幸甚です。
デジタルアルバムは以下のページからご購入可能です。

http://japan.bandcamp.com/

このオンラインリリースは、インターネット上で決済する事により、その場で音楽をダウンロードし、すぐにパソコンやipodなどで音楽をお楽しみ頂く事が出来ます。この音源販売により得た収益は、いち早く被災者支援に役立てて頂くために、日本赤十字社などは通さず全て宮城県災害対策本部に直接義援金送付されます。是非皆様のご協力を頂けましたら幸甚です。
 
 
操作手順でわからない事などございましたらお気軽にご連絡下さい。
簡単な図解手順書もご用意致しましたので、以下からダウンロードしてお役立て下さい。
http://saburo-ubukata.com/help.pdf

 

—このアルバム「Singing In My Ears」について

このアルバムは今回の義援金送付のために作曲・制作されました。
この度の音源制作にあたり、Bösendorferピアノを貸し出して下さった長谷川徹氏、自然音をご提供下さったJoe Okuda氏、録音機材をご提供頂いたYosi Horikawa氏、そしてアートワークをご提供頂いた中島麦氏に深く感謝致します。

「Singing In My Ears」

1.Iris 05:30
2.Virginal Clay 03:56
3.Creek 04:47
4.Singing In My Ears 04:42
5.Full Moon Grace 04:25
6.Blooming 05:31
 
 
 
 
 
 
 

Piano: Saburo Ubukata / 生形三郎
Nature Sound: Joe Okuda / ジョー奥田

Piano Recording & Mixing & Mastering: Saburo Ubukata / 生形三郎
Piano: Bösendorfer Model 290 Imperial

Painting: Nakajima Mugi / 中島麦
 
 
 

以上、どうぞ宜しくお願い致します。
 
生形 三郎