アルバムがリリースされました

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 2013/5/15にアルバムがリリースされました。タイトルは「reflection primal」で、3〜4年くらい前の曲を中心に、全10曲の構成です。

 このアルバムは、自身が今まで制作してきた電子音響音楽を、CD作品というパッケージに落とし込むにあたり、「一般的な音楽形態」と「具体的な録音素材による日常の音の融合」を試みたものです。それは、今まで行っていた表現を、もっと良い形で伝えられないか、という試みの模索でもありました。

 収録曲の中に出てくる環境音は全て自身で録音を行い、DSD録音と呼ばれる、クラシック音楽やジャズの高音質録音のマスターに使われる録音形式を用いて、出来る限りリアルに録れる様に努めました。また、録音対象の選定にあたっても、日々を生きている中で必ず聴いている、普遍的だけれど記憶の奥にこびりついているであろう音を選び、多くの人の原体験に触れられるように試みました。

 なぜそれが必要であったのかというと、それはアルバムジャケットにも関係します。アルバムのジャケットに使われているイメージは、現代美術作家でもあり私の東京芸大大学院時代の同級生であったchise shimomuraの作品、”flowting sight #4″です。私はこの作品を一目見た時から、自分がこのアルバムで(もしくは自分の音楽の創作という行為そのもの)試みようとしていることに共通項を見いだしたような気がしました。その時にはそれがどうしてなのか何なのかは判りませんでした。しかしながら、アルバムのジャケットに作品の写真を使わせてほしい旨を彼女に相談し、実際にこれらの音楽を聴いてもらい感想を貰った時に、それがなんなのか判ったような気がしました。

 森の中で、陽光を受け周りの景色を様々に乱反射することで見えてくるその作品の佇まい。その光景や存在、そして作人を体験すること自体が、録音物の再生を通すことで、様々な時間や風景が心の中に思い出される体験と、とても近似している、リンクしているのではないかと私は思っています。

 皆さん、是非聴いてください。

 

【購入先】

saburo ubukata オフィシャルサイト

Nautre Bliss オフィシャルサイト(レーベル運営元) ←今なら42%offのようです。

Amazon アマゾン (ユーザーレビューがたくさんあります)

 

【「TVBros 4月24日号 」 ディスクレビュー掲載 】
「メディアアートや作曲コンクールなどの分野で活躍してきた日本人電子音響
音楽家の1stアルバム。ピアノをメインに、シンセ、蝉しぐれ、カラスの鳴き
声、足音、花火、駅のプラットフォーム、何気ないおしゃべりなど、日本の日
常に流れる環境音を加え、電子変調を施した、アンビエント作品。NHKラジオ
「音の風景」、ブライアン・イーノ、その両方が好きなら耳の至福! 目を閉
じて聴いていたい。 -サラーム海上」

 

【「Stereo 7月号」(音楽之友社) 今月の特選盤に選定 】
「本文より抜粋〜使われている音は、波や雨や森と言った自然の音や花火等を
生録音したものと、アコースティック楽器、電子音を加工したもの。特に不協
和音ということはない。現実と過去の風景が解け合っている様子を音で表現し
たような音楽。BGMとして部屋で流しておいても居心地がいいが、自分の過去
の何かを引き出してくれるような強い力も持っている。端的に才能を感じる。
新しくつくられたものの中で、久しぶりに美しい音楽を聴けた。 -鈴木裕」

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